さまざまな「気づき」と出会う道草道中
平成30年3月18日(日)
ノラソラ自然環境チーム 井上
息子達と外を歩くと、しゃがんで何かをずっと観察したり、寝転んだり、木に登ったり、かと思えば一目散にバッタを追いかけて走って行ったり
とにかく行ったり来たり、止まったり走ったり、両手にもポケットにもものがわんさか。 袋いっぱいのぜんまいの時もあれば、ヘビを握りしめて戻ってきたことも・・・。
親にとっては疲れるし、目的地にいつまでも着かないし、疲れて抱っこ~とかおなかすいた~ とか言い出すしで、勘弁してよと思うこともしばしばです(笑)
でも、私はこの“道草”の時間を大事にしています。
いつもは無意識に「このルートで行こう」「何時までに戻ってきたい」など考えているけど、時には時間を気にせず、想定外だらけの息子達の「発見」「挑戦」に付き合います。
寄り道、道草しながら、子ども目線で物事を見ていると色んな「気づき」と出会います。
動物の足跡、葉っぱの色、何かにかじられた木の実・・・
「もともと目指していたものではないものとの出会い」は、私たちをゆたかにしてくれます。そして、その一見無駄にも思える経験を繰り返しているうちに、今まで得てきた知識や経験と再会し、新たな「気づき」へとつながるのです。
子ども達が「気づく」ためには、時には大人の手助けが必要な時もあります。まわりの大人の「気づき」を生む支援と「見守る勇気」があれば、いつでもどこでも学びの場になります。
子どもにとってゆたかということ
住環境や少子化などの影響もあり、子どものあそびそのものが変わりつつある昨今です。自然豊かな妻有で育つ子ども達なので、自然との関わりが多いかというと、人それぞれだと思います。
私が子どもの頃はゲームなんて持ってなかったので、外で駆け回ってあそんだものでした。放課後は暗くなるまで飽きずにあそび、休みには親と一緒に畑に行ったり山菜採りを楽しんだりしました。
昔は当たり前だった野山でのあそびが、今では体験サービスとして教えてもらう特別なものになりつつあるのかなと感じます。
ノラソラに来た親子には、プロが企画した特別なカリキュラムじゃなく「普通」を感じてほしいと思っています。
蒸かしただけの野菜の甘さ、道端の花の鮮やかな紫、寝転んで見上げた空の、雲の流れの速さ・・・
日常の中にはそうした「気づき」のチャンスが沢山あふれています。日常をもっとゆたかに過ごすために私達スタッフも「気づき」の手助けをしたいと思います。
越後妻有森のようちえん ノラソラ
井上 理英