子どもたちからのギフトと子どもたちへのギフト。
平成29年12月23日(土)
ノラソラ代表 馬場
一生懸命手を伸ばした先には赤い桑の実。
今3歳の息子は探検好き。外が好き。
時間があれば一緒に外へ出かけます。
1歳を過ぎて歩き始めた頃の息子、多動じゃないかと思うくらい良く動きました。
歩くのが楽しくて、自分の足でどこまででも行けるという喜びに突き動かされているかのように、帰り道抱っこで帰れるかな、とかいう親の心配はよそに、とにかく歩いた!
そんな息子を連れて毎日のように近所や公園へ遊びに行きました。
ちょうどその頃「森のようちえん」の取り組みについて知り、園舎を持たないことや、雨の日も雪の日も毎日のように外で遊ぶこと、保育士は見守りに徹していること。驚きと共に直感的にいい!と思いました。
そのいい!は徐々に、森のようちえんの保育理念や在り方への憧れとなり、十日町でもこういう場所が欲しい!と思うようになりました。
でも森のようちえんについて調べていくと課題やデメリットと言われていることもあることがわかり、疑問や不安な点も見えてきました。
その話を友人にしたのをきっかけに、みんなは森のようちえんについてどう思っているのか知りたくなり、森のようちえんについて話す会やその中の有志で県内のいくつかの森のようちえんに見学に行きました。
その後も“十日町らしい保育ってなんだろう?“”十日町のこの場所だからできること“の話し合いを重ね、今年の春からイベント・親子参加型として【越後妻有森のようちえん ノラソラ】をはじめることにしました。
ノラソラの名前は
【越後妻有の野原の上で 空の下で この地球に生きる子どもの根っこを育てる】
という想いが込められています。
先日の上越での森の子育てフォーラム2017で登壇されたりんごの木・柴田愛子さんが
「子どもたちは森じゃなくても育つ。都会でも育つ。でもなぜ森なの?自然の中なの?」
の問いをされていました。
その通りなんです。森じゃなくても子どもは育つ。
それでも私は森に惹かれている。なんでなんだろう?
それはきっと十日町という場所が豊かな自然と隣り合っていて、人々は自然と共に生きてきたから。私の中では自然の中に子どもたちを連れ出すのが自然な事のような気がしています。
自然の中で思いっきり体を動かす遊びをしてほしい。
大人の制約に縛られず自らの意思で自由な遊びの時間を過ごしてほしい。
近くにある自然、四季を感じてほしい。
四季の移り変わりを体で感じながら、見たり、聴いたり、触ったり、匂いを嗅いだり、味わったり、時には自然の美しさにはっと目をうばわれたり…
そういう経験が多ければ多いほど心は豊かに育っていくと信じている。
それはきっとその後の人生においてかけがえのない財産となる。
子どもがお腹の中にいたとき、この世界の美しさ、すばらしさを教え、伝えたいと思いました。
思わず吹き出して笑ってしまって友達と顔を見合わせたことや、
自然の息をのむ美しさや、
新しい発見をした時の感動や、
美しくて心がふるえて仕方ない時の涙や、
誰かを想ったり想われていることに気づいた時の甘く切ない気持ちだったり、
数々の生きていてよかった!生きているってすばらしい!
と思える瞬間がたくさんこの子に訪れますようにと願ったように、
今もこれからもここを原点に、
多くの子どもにそんな瞬間が訪れることを願って
自然の中での体験環境を
【越後妻有森のようちえん ノラソラ】
で提供したいと思っています。
去年感じていた疑問は私の中では解決し、デメリットはそもそもデメリットと言われる事態を回避すればよいものだと思えるようになり、課題については課題が見えているからこそ時間がかかってもそれに対応していけばよいのだという事もわかりました。
不安はあるけれど、子育てとはそもそも成功かそうじゃないかなんて答えはなくて、自分や子どもや家族が幸せかなんてその真っただ中にいるときは意外と見えないもので、それも子どもが大きくなってみてわかるものだったりするのかなぁと受け止められるようになってきた母3年目でした。
子どもたちは自ら育つ力を見せてくれます。
そんな生きる力を感じたときの感動は私にとって子どもたちからのギフトです。
自然体験を私からの子どもたちへのギフトとしたい。
来年もたくさんの親子のみなさんと自然の中で過ごすのを楽しみにしています。
2018年もノラソラにかかわる皆さまと、共に育ち合っていけたらいいなと思っています。
越後妻有森のようちえん ノラソラ
代表 馬場久美子